2022年
ワールドキャンサーデーにあたって
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中にさまざまな分断をもたらし、がん医療においてはいまも多くの方々が、苦難のなかにおられると思います。感染症が人と人の繋がりを分断し、距離を私たちに強いている中で、今年もワールドキャンサーデーを迎えることとなりました。
ワールドキャンサーデーは、2000年2月4日、パリで開催された「がんサミット」から始まったUICCの取り組みです。今年は公平性の問題を中心とした新しい3年間のキャンペーン「Close the Care Gap!」(がん医療のギャップを埋めよう)の最初の年です。UICCは、がん治療における公平性が損なわれている現状を認識し、医療へのアクセスにおいて多くの人々に存在する障壁と、これらの障壁がどのような影響を社会に与えているのかを改めて捉えなおすことを目指しています。
今年も2022年2月4日(金)のワールドキャンサーデーにオンラインで日本と世界をつなぐ「Light Up the World」を通じて日本各地を光でつなぎ、その瞬間を分かち合うことで、この苦難の中でがんに立ち向かう想いをひとつにしたいと思います。
UICC日本委員会では各加盟組織とともにワールドキャンサーデーの準備を始め、10月の日本癌治療学会でもその概要を公表させていただきました。その後、各組織にセッションを企画して頂き、また企業の方々からもご協力をいただいております。2月4日には二つのオンラインセッションと、オンデマンドでスタートするワーキンググループセッションをオンラインにて開催いたします。
いまだ、新型コロナウイルス感染症が社会の分断を加速し、がん医療においてはその狭間で多くの困難が存在している今こそ、「Close the Care Gap!」(がん医療のギャップを埋めよう)という決意を、皆さまとともに分かちあいたいと考えます。
UICC日本委員会委員長 野田 哲生
厚生労働大臣 後藤 茂之
がんの克服を目指します。
UICC日本委員会委員長 野田 哲生
UICCは世界を繋いでがんと戦います。
UICC日本委員会賛助会員
(五十音順)
- 協和キリン株式会社
- 日本放射線腫瘍学会
UICCについて
UICC(Union for Internal Cancer Control)は、1933年に設立された世界的な広がりを持つ民間の対がん組織連合です。ジュネーブに本部を置く世界最大の対がんコミュニティで、現在は世界の172カ国から1200団体が参加しています。国連経済社会理事会(ECOSOC)の諮問機関であり、世界保健機関(WHO)、国際がん研究機関(IARC)、国際原子力機関(IAEA)、国連薬物犯罪事務所(UNODOC)と公的な関係を結んでいます。
ライトアップイベント「LIGHTUP THE WORLD」をカレッタ汐留の協力でイルミネーションをUICCカラーである「ブルー」と「オレンジ」にライトアップし、思いをひとつにし、日本が「がん」に立ち向かう決意を世界に発信してゆきます。
結成以来、研究者・医療従事者等の専門家による科学とエビデンスを中核としながら、様々な団体が連帯して世界的ながんの負担の低減と不平等の解消、がん対策が世界的に優先的な課題となるよう支援することをミッションとしています。
ワールドキャンサーデーのほか、世界がん会議や世界がんリーダーズサミットを開催し、草の根から国際レベルまで、すべてのレベルでがん制圧のためのアクションをリードしています。
URL:https://www.uicc.org/ (英語)
UICC日本委員会とは
UICCに加盟している日本の組織が集結し、世界対がん宣言の実現のためにUICCを支援・連携して活動する日本の独立組織です。「誰ひとり取り残さないがん医療」という、SDGsのゴール3でもあるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)のがん領域での実現を掲げ、研究者や臨床家など専門家を中心に、幅広いステイクホルダーと協働しながら科学的根拠に基づいたがん征圧のためのアクションを行っています。
1966年には、当時世界最大級の国際会議であった第9回世界がん会議の東京開催を成功に導くなど、世界にむけてわが国のがん研究と研究体制の発展の原動力となってまいりました。事務局を(公財)がん研究会に置き、日本の主要ながん専門学会、がんセンター、研究所、研究基金、病院、対がん協会など30団体が参加しています。
第9回世界がん会議の様子
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